バックライト交換修理の限界
修理スタッフのKtyです。
当店への修理依頼の内、最も多いのがバックライト交換修理です。
起動時画面が赤い。画面が突然暗くなった。など、お問い合わせに於いてもバックライトが点灯していないと思われる症状が数多く寄せられます。
これらの症状の原因のトップはバックライト不良です。(当店実績では画面が暗い原因の60%がバックライト不良です)
バックライトは照明に使われる蛍光灯に類似した構造で、発光原理は似ています。
ガラス管の内側に蛍光物質が塗布され、更に管内にはガスや微量の金属元素が封入されています。管の両端には電極が設けられ、これに高電圧をかけて放電させる構造となっています。この放電の際に発生した紫外線によって蛍光物質が発光する事で可視光を得て光源としています。
使用時間の経過に伴い、管内の蛍光物質やガス、金属元素の劣化等により輝度が低下して行きます。
一般的なノートパソコンの液晶パネルにはバックライトが1本使用されており、これを1灯式と呼んでいます。機種によっては2本のものもあり、これは2灯式と言います。
1灯式のバックライトの寿命は10,000時間程度と言われており、これを基に1日8時間、1ヶ月に25日使用するとして計算すると 10,000h÷8h/day×25day/month×12month/year=4.16666・・・yearで、4年強となります。しかし、実際にはもっと短時間でバックライトが点灯しなくなる事例は多く、個体差や使用環境も影響しているものと思われます。
バックライトの劣化によって点灯しなくなる理由は以下の通りです。バックライトは劣化に伴って消費電力が増大します。言い換えると、劣化したバックライトの点灯を維持する為には新品時より多くの電力を供給する必要があると言う事です。これがインバーターの供給能力を超えた場合にバックライトが点灯しなくなります。
場合によっては、電力増による負担に耐え切れずにインバーターが壊れてしまっている事もあります。
画面が完全に暗くなってしまったパソコンのバックライトをテスト用インバーターで点灯させると、暗く光る、赤く光る、画面の半分が暗く光り残りの半分は殆ど光らない、全く光らないといった状況に大別出来ます。
一番目と二番目はバックライトの劣化により点灯を維持出来なくなっている状況です。特 に二番目の赤く光る症状はバックライト劣化の末期的症状です。起動時だけでも赤く光る場合はバックライトの劣化がかなり進んでおり、いずれ点灯しなくなる可能性大です。画像は赤く光る症例です。
三番目の画面の半分が暗く光るは、バックライトとインバーターを接続するケーブルのバックライト側の接続部分が、熱によると思われる劣化で断線してしまった症状です。この熱は、バックライト劣化による電力消費増によるものと考えられます。
画像はバックライトとケーブルの接続部分が熱により劣化して断線してしまった事例です。
このケースでは、バックライト交換の為に液晶パネルを分解すると、不具合箇所周辺のプラスチック製フレームが熱で変形したり、変色しています。(画像黄枠内)
四番目はバックライトのガラス管が焼き切れている場合です。希に落下などの衝撃によりバックライトが粉砕してる場合もあります。ガラス管焼き切れの場合も三番目同様の理由で発生しているものと思われ、フレームの変形や変色が見られます。
新品時より明らかに輝度が低下していたり、起動時に赤く光る場合は、そのまま使い続けるとインバーターも壊れてしまう場合があります。その際、一般的なノートパソコンの場合の修理代金はバックライトのみの交換修理に比べて1万円前後は高くなります※。早めのバックライト交換をお勧め致します。※当店比
逆の見方をすると、診断結果がインバーターのみの不良(テスト用インバーターにてバックライトは正常と思われる点灯状態)であっても、インバーター故障を引き起こす様な消費電力増を伴う劣化が、バックライトに発生している可能性があります。発売から概ね3年以上経過したパソコンに於けるインバーター不良はバックライトの劣化によって発生した可能性が高いと考えられる事から、バックライトとインバーターの同時交換をお勧め致します。この状況でインバーターのみを交換しても、インバーター故障が再発する可能性がある為です。
尚、バックライト交換修理には幾つかの注意点があります。
液晶パネルのバックライトは元来交換することを前提として設計されておりません。当店ではこれを交換する技術を確立してバックライトのみの交換修理を行っており、多くの交換実績がございますが、バックライト交換修理は、画面が暗くなってしまったパソコンの「実用的な機能回復をリーズナブルな料金にて行う修理」とお考え頂きたいという事です。
バックライトを交換して画面が暗い症状が回復しても、新品時と同様にはならない場合があります。
その理由はバックライトのみの交換であり、バックライト以外の液晶パネル構成部品の劣化などによる不具合は改善出来ないという事です。
液晶パネルは一般的に図解の様な構造となっており、液晶表示部とバックライトユニットに大別出来ます。液晶表示部は、表面に制御用の電極が形成された2枚の薄いガラスパネルの隙間(数μm)に「液晶物質」が封入されています。これに制御信号を加える事で画像を表示しますが、液晶それ自体は発光しない為、別途光源が必要となります。
この光源を構成するのが「バックライトユニット」です。バックライトユニットは以下の部品で構成されています。バックライト(CCFL:冷陰極蛍光ランプ)、導光板(線状の光源であるバックライトの光を面状に展開する透明アクリル板)、散光シート(画面の隅々までをムラ無く照らす為に光を拡散するシート。特性の異なるシートが複数枚重ねられている。)
バックライトユニットの光が液晶パネルを透過する際に、RGBの光の三原色の組合せによって画素単位で色を作り出し、明度も制御する事によって画像や映像を表示しています。
ここで問題となるのは、バックライトユニットの構成部品である「導光板」と「散光シート」です。
これらはプラスチック製であり、経年劣化が発生します。特に導光板はバックライトと接する様に配置されている事から、バックライトから発生する紫外線や熱の影響を受けやすい状況にあると言えます。
これにより導光板が変色したり、バックライト電極付近の一部が溶解して表面が荒れたり変色する場合があります。前述の通り、劣化したバックライトは消費電力増による発熱の為、バックライト交換が必要なケースの殆どでバックライト電極付近の導光板表面に荒れが発生しています。
これがどの様な影響をもたらすかと言うと、画像の様な陰影や黒ずみとなって現れます。
画像はバックライト電極の熱の影響で導光板が変質し、画面右下隅に陰影が発生している状況です。バックライトは交換済みです。
こちらは導光板のバックライトと接するエッジ面に於いて変色が発生した事例です。どちらも同じメーカーの同系列型番の液晶パネルの導光板です。
右側の導光板はエッジ面が変色して黄ばんでいます。この場合は画面の白い部分が黄色みを帯びて表示される為に画面全体が古びた感じを受けます。
散光シートが同様に黄変するケースもあります。この場合も導光板の変色と同様の影響が発生する事が考えられます。
これらの液晶パネル構成部品の劣化による不具合は、残念ながらバックライトを交換しても改善されません。これを改善する為には液晶パネルを交換する必要があります。
これらが、「実用的な機能回復をリーズナブルな料金にて行う修理」である所以です。
とは言え、全てのケースに於いて変色が発生している訳では無ありません。むしろ少数派です。
当店で実施したバックライト交換修理の殆ど(概ね98%程度)は実用上問題ない綺麗な仕上がりとなっています。
バックライトが消えてしまう前から画面の白い部分が黄色みを帯びていた、画面の左下や右下の隅が極端に暗いといった状況で無ければ、まず問題ないと考えて頂いて大丈夫です。特に画面の左右下隅の黒ずみ程度なら、バックライト交換後に残っていても実用上は問題無い筈です。
メーカー修理では、例えバックライトのみの不良であっても液晶パネル交換またはディスプレイユニット丸ごとの交換で数万円の修理料金となることと比べれば、多少黒ずみ等があったとしても充分にお得かと思います。
万一、実用上でも耐え難い変色や黒ずみ、その他画面の不具合がある場合は、液晶パネル交換もメーカー修理に比べてリーズナブルな料金で承っておりますのでご相談下さい。(線状のドット抜けや液晶が割れてしまっている場合の交換修理も承ります。)
液晶パネルは新品の他、程度の良い中古のパネルが入手可能な場合もありますので、出来るだけ安く済ませたいという方も是非ご相談下さい。
当店ホームページにお得なクーポンをご用意しております。当店ホームページのトップページにありますので探してみて下さい。(ご利用の際はクーポンに記載されている注意事項を良くお読み下さい)
修理お申し込みに際しましては、その他にも注意事項がございます。詳しくは当店ホームページの「お申し込みの流れ」ページ内の「パソコン修理依頼に関する合意事項」のページをご覧下さい。
また、ご不明な点は「お問い合わせ・お申し込みフォーム」、電話、FAX(FAX用フォームをご利用下さい)にてお問い合わせ下さいませ。
サウスプロジェクトチーム 電話 03-6904-3176 FAX 03-6904-3177
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