修理スタッフのKtyです。
普段はお客様方のトラブルを抱えたパソコンを診断、修理していますが、今回は自分のパソコンでこれを行う羽目になり、しかも解決に手間取った話です。
私は店頭に於いて、業務用として3台のパソコンを使用しています。
1台は事務専用マシンとして、メールの送受信や各種事務処理、ネットでの情報収集などに使用しています。機種は富士通のFMV DeskPower ME5/657です。
2000年の秋モデルで9年も前のものです。何度か段階的に手を加え、現在の構成はCPUをDuron 650MHzからAthlon 1.2GHzに換装、CPUクーラーと電源、ケースファンを強化、メモリは512MB、HDDを2台搭載してページングファイルをシステムと別ドライブに設定、OSはWindows MeからXP proに変更、視覚効果や不要なサービスを停止、メモリ関連のレジストリチューニングを行っています。
幾つもウィンドウを開いたり、複数のアプリを開いての作業ではもたつく事もありますが、まだまだ現役です。
この他に、ディスク修復やデータ復元等の作業用としてノートとデスクトップ各1台を使用しています。
ノートはhpのCompaq nx9000です。Pentium4M、15インチ画面のデスクノートです。
ヤフオクでBIOSパスが設定されたリースアップ品を安く落札してパスを解除し、レストアしました。
もう一台は自作デスクトップです。マザーはGIGABYTE GA-7VM400AMF、CPUはAthlonXP 2200+、メモリ1GB、グラフィックはRADEON 9600SE、OSはWindows XP Pro と Vistaという構成ですがデュアルブートでは無く、HDDをモービルラックで差し替えて使用します。ケースはミドルタワーで5インチベイに2つのモービルラックを取り付け、必要に応じてハードディスクを正面から入れ替えられる様にしてあります。
今回は、この作業用自作デスクトップPCに於けるトラブルです。
いつ頃からだったか、多分2週間位前ですが、このマシンに於いてPCI Parity Error!なるメッセージが表示されるようになりました。
どの様なタイミングで発生するかと言うと、初回はこんな状況でした。
最近品薄になりつつあるP-ATAの2.5インチHDDを在庫用として幾つか取り寄せたので、エラーチェックをする為に1台をモービルラックのプライマリマスタにセット、HDDメーカーが提供しているFDブートのツールでチェックしようと電源を入れました。
FDからブートしてツールの画面が出たところで、目的のハードディスクの型番が表示されている事を確認してチェックを開始。
インターフェイステスト、メカニカルテストなど、所定のテストが順番に自動的に進んで行き、メディアテストに入って暫くした時の事です。
突然画面が消えて真っ暗になってしまいました。HDDのアクセスランプも消えています。
仕方なくスイッチを長押しして電源を切り、再起動しました。POST画面が消え、FDからブートする筈のタイミングで "PCI Parity Error ! Press F1 to continue F2 to reboot"とメッセージが出て止まってしまいました。
初めて見るメッセージです。早速 PCI Parity Error をキーワードにネットで検索して見ましたが、日本語のページは殆どヒットしません。
その数少ないページを見て回りましたが、解決のヒントとなりそうなものは一つも見あたりませんでした。
英語のページも幾つか見てみたものの、同様でした。(本当は英語が苦手で、翻訳サイト
で逐一翻訳しながら意味を拾って行くのが面倒だった事は内緒です。:-P )
PCI Parity Errorと言うからにはPCIバス関連のエラーだろうと考えましたが、PCIスロットには拡張ボードは挿してありません。
しかし、オンボードでPCIバスに接続されているデバイスもあるので、先ずはこれらをBIOSでdesableにして再起動してみます。
今度はエラーチェックツールが起動しました。やはりオンボードデバイスのどれかに不具合か?と思いましたが、またしてもツール実行中に画面が暗転しました。
今度はCMOSクリアを実施します。その後Load Defaultを実行し、日付と時刻を再設定してから再起動。結果は、改善したかに見えましたが、結局は同じ状況に陥ります。
HDDを抜き、代わりにシステムドライブ(Win XP)をセットして起動してみます。何事も無かったかの様に正常に起動しました。
再度FD起動を試みると、発生のタイミングの違いこそあるものの結局はエラーとなってしまいます。
この状況を解決するまではこのマシンは作業用には使えません。エラーを抱えたパソコンにお客様のハードディスクを接続してデータの復元やチェックディスクを行う訳には行かないからです。どんな障害が発生するか分かりません。
しばらくはノートPCで代用する事にして、これまでは我慢と工夫で乗り越えましたが、デスクトップと違って使い勝手が悪く、何かと不便です。
ここは本腰を入れて、一気に原因究明と解決をと意気込んで作業を始める事にしました。
しかし、この様な作業は閉店後で無いと出来ず、開始時は既に20:00を過ぎていました。
先ずはエラー原因の究明ですが、PCI Parity Errorについては情報も無く、どこから手を付けたら良いのかもさっぱり分かりません。
あれこれ悩んだ挙げ句、こんな時は基本的なところから攻めるしかないとの結論に達しました。
CMOSクリアは既に試みたので、先ずはメモリーエラーをチェックしてみます。
memtest86+を10passほど走らせてみましたが、エラーを吐くことはありませんでした。
念の為、HDDを接続せずにFDからブートしてみましたが結果は同じだったので、HDDやHDDケーブルはシロと見ました。
次にビデオボードを外してオンボードビデオで起動しましたが、これも結局は同じ結果でした。
まさかとは思いつつPS2接続のキーボードとマウスを取り外し、USBのものに挿し替えて起動してみます。
すると、エラーが出なくなりました。まさかPS2のインターフェイスが原因だったのか?
再起動を繰り返してもエラーは出ません。ではHDDのエラーチェックを実行してみましょう。
無事にツールが起動し、チェック開始後も順調です。しかし、もうすぐ完了というところでまたしても・・・
一体何が原因なのか。解決の糸口もつかめません。困りました。
そこで、これまでに行ったチェックの際の経過を思い出してみる事にしました。
すると、マシンを寝かせて起動した場合はエラーとならず、立てて起動した際には高確率dでエラーとなっている事に思い当たりました。
寝かせると正常で、立てるとエラーになる・・・重力の影響を受けるもの?・・・ある程度の
重さがあるもの・・・マザーボード上の重量物という事か・・・そうか、CPUクーラーだ!
そこでマシンを寝かせたまま、HDDエラーチェックツールを起動し、暫く放置してエラーが出ない事を確認します。10分程様子を見ましたが異常はありません。
その状態で、CPUクーラーを指先で軽く押してみます。出た、出た! PCI Parity Error !
の文字が!
まさにBINGO!って感じですが、問題はここからです。
CPUクーラーが重力の影響を受けて傾こうとする際にエラーとなる事は判明しましたが、何故これでエラーになるのかが気になります。
CPUクーラーの取り付け不良であれば、正しく取り付けをし直す事で改善が見込めます。
しかし、もう一つの可能性は少々厄介です。
CPUクーラーが傾こうとする際にはCPUソケットを引き剥がそうとする力が働いている事となります。何しろソケットAはマザーボードに半田付けされたCPUソケットの爪にCPUクーラーのクリップを引っかけて固定しており、CPUクーラーの重量はCPUソケットが支えていますが、それはすなわちCPUソケットとマザーボード間の半田が支えていると言うことです。
この半田が重量に耐えきれずに、剥離やクラック等の不具合が発生しているとしたら・・・
そうなったらマザーボードを交換するしかありません。
何れにしても先ずはCPUクーラーを外してみる事にします。おっとその前にクーラーが正しく取り付けられているかどうか確認しておきましょう。
特に傾いている事は無く、クリップもCPUソケットの爪に確実に掛かっています。
取り付けには問題は無さそうでした。
クリップを外し、慎重にCPUクーラーを持ち上げて外します。
裏返してCPUのダイとの接触面を見てみると、サーマルグリスが不足している様です。
CPUダイ表面も同様でした。グリス切れだったのか?
CPUダイ表面とCPUクーラーの接触面とをクリーニングした後、ダイ表面にサーマルグリスを適量塗布します。
その後、CPUクーラーを正しく位置決めしてCPU上に置き、クリップをソケットの爪に確実に引っかけて固定します。
CPUクーラーが正しく確実に固定された事を確認してからマシンを寝かせたまま起動し、CPUクーラーを押してみました。エラーは出ません。
続いてマシンを立てて起動し、HDDのエラーチェックを実行してみます。今度もエラーは無く、無事にエラーチェックを完了しました。
その後も数回再起動しましたがエラーはありませんでした。
キーボードとマウスをPS2のものに替え、ビデオボードも取り付けて以前の環境に戻して起動した結果も正常でした。
やれやれ、やっと解決しました。結局原因はサーマルグリス切れということでしょうか。
半田不良では無かった様で一安心です。最悪はマザーボード交換も覚悟する必要がありましたが、マザーボード交換となるとマザーだけでは済まなくなります。CPUもメモリも規格が全く変わっているので、これらも同時に新調しなければなりません。更にはOSの再インストール、アプリのインストールなどの環境設定も最初からやり直し・・・気が遠くなりそうです。
まあそれは避けられた訳ですが、この様な状況になったのは何故なのか?何かしら原因があるはずです。
色々と思い返して見ると、ありました、思い当たる事が。
暫く前に担当した案件でこのマシンと同じCPUが載ったパソコンがあり、不具合の原因がCPUかマザーボードかを切り分ける為にCPUを取り外した事を思い出しました。
時間に追われて作業をしていた為か、CPUを戻す際にサーマルグリスを塗り直した記憶がありません。
どうやらこれが原因だった様です。
お客様のパソコンに於いてはあり得ない事ですが、自分のパソコンとなるとどうも手抜きというか油断してしまうところがあるようです。「紺屋の白袴」というやつでしょうか。
とは言え直って良かった。これで安心して作業が出来る環境が戻りました。
時計を見ると23:00をとうに過ぎています。夕食が明日にならない内に帰る事にしましょう。
最近のコメント